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(2) 市民と研究者が連携して河口中洲など干潟の調査
私たちは、継続して干潟の自然観察会を開き、干潟というフィールドを見続けることで、干潟周辺の環境変化を知るバロメーターになると考え、市民調査として、汽水域や干潟を代表する生物、シオマネキやハクセンシオマネキの生息分布の継続調査を行なってきた。
最近、特に、住吉干潟に砂の堆積が著しく増加し、底質が変化していることを心配してきた。私たちは、今まで撮影した写真を整理して、同じポイントからの撮影で干潟の経年変化がわかるような写真を並べてみた。
*上の写真/左:1989年撮影(徳島県立博物館学芸員 佐藤陽一氏)/中:1996年撮影(井口)
/右:2000年撮影(井口)
写真から見ても、河口南堤側の住吉干潟への著しい砂の堆積が起こっていることが明らかである。河口干潟は、もともと変動は大きいものであるが、漁師さんや地元の人からの聞き取りなどから吉野川河口周辺では、1986年〜1993年まで、マリンピア沖州第1期工事として、河口吐き出し口に人口島埋立て工事が行なわれ、潮流などが変化して砂の堆積場所が変化したり、河口の干潟環境に著しい環境変化が起こってきた可能性があることが予想された。また、2000年4月〜10月の間に6回、徳島県立博物館の学芸員らと共に、広く呼びかけた市民と一緒に中州干潟(約90ha)に舟で渡り、生物調査や地形変化を観察した。

2000年10月の調査において、貴重種のカワアイガイ(WWF-Japanサイエンスレポート1996.危険種)を採集した。
*左の写真:カワアイガイとフトヘナタリ
同定は、奈良女子大学和田恵次教授にお願いした。
また、中洲干潟では、イセウキヤガラ(専門家によって重要種と指摘された種)の植物群落が確認されていたが、その群落は減少傾向にあり心配されている。
さらに、東環状大橋通過地点での、ルイスハンミョウ(環境庁編レッドデータブック希少種)の生息分布調査も行なった。マリンピア沖州第2期工事によって埋め立てされる沖州海浜でのルイスハンミョウの生息分布状況については、マリンピア沖州の環境アセスメントとして調査が行なわれているが、中洲における現況調査はほとんどされていない。東環状大橋建設の計画の中で、もしも渡河橋が建設される時には橋梁工事などの影響を受ける場所に生息しているので、継続調査は、今後も非常に重要である。
河口中洲の形状変化や、河口干潟周辺の環境変化については、現在、情報公開されている国土交通省による第十堰可動堰化を審議する第8回第十堰環境調査委員会資料(委員会は2001年3月13日に終了)などの環境調査結果やデータを専門家や研究者にお願いして検証し、評価を試みようとしたが、公開されている河口周辺の航空写真もデータ数が少ないことや、河口干潟の経年変化データが、マリンピア沖州人口島工事(1986〜1993)以前の古いデータであったりして、河口干潟周辺の砂の堆積変化など改変原因については検証までに至っていない。
1999年秋に国土交通省徳島工事事務所の呼びかけによって、徳島県自然保護協会、日本野鳥の会徳島県支部、とくしま生協、ふれあいコープ、本会などの市民団体が同じテーブルについて吉野川の環境保全を考えていこうという「吉野川自然環境を考える会」が半年に1度開催され始めたので、この席でも河口干潟周辺の環境変化について、市民や研究者らと共に吉野川の管理者である国土交通省が調査に取り組むことをたびたび提案したが、いまだ実現されていない。河川法が改正され、環境の保全や住民参加が盛り込まれたことに期待したが、体制は旧態依然としている。
2001年2月3日には、シンポジウム「未来につたえる干潟と渚」を「吉野川河口・沖洲海岸シンポジウム実行委員会」として、日本野鳥の会徳島県支部や本会を中心にした市民グループが開催した。この時に専門家として来ていただいた、清野聡子東京大学大学院総合文化研究科助手には、吉野川河口干潟や沿岸域の環境変化についての調査やデータ解析などについて、現地調査をしながら、助言をしていただいている。
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