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徳島県知事への申し入れ |
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2004年8月27日
徳島県知事
飯泉 嘉門 様
とくしま自然観察の会
世話人 井口利枝子
吉野川ひがたの会
世話人代表 樋口 緑
生活協同組合 コープ自然派徳島
理事長 八木正江
吉野川河口と沖洲海岸を守る会
会長 大寺正彰
東環状大橋(仮称)事業に係るモニタリング、環境アドバイザー会議等について要望
および徳島県からの回答(平成16年7月1日付)に対する反論
今般、私どもは、徳島県知事宛に提出した要望書(平成16年6月11日付)に対し、
徳島県土整備部都市道路整備局長楠瀬圭三名で送付された回答書(平成16年7月1日付)
の内容について検討した結果、徳島県に対する要望事項を下記のようにとりまとめました。
また、これらの事項に関する見解の詳細については、要望事項に引き続き述べておりま
すので、その内容もご勘案の上、私どもが7月30日付で提出した要望書に対するご回答
も併せて、平成16年9月15日までに文書にてご回答いただくようお願い致します。
記
1.今まで市民の意見は様々な場面で意見聴取されたのですが、具体的にどのような形で反映され
たのか全く不明であり、東環状大橋(仮称)建設について「民主的な対応がなされている」と
いう理由として利用されたとしか思えないような取り扱いがなされてきたと私どもは受け取っ
ています。県民の財産である吉野川河口干潟の保全に役に立つ、市民の意見が確実に反映され
る仕組みをつくってください。
2.東環状大橋(仮称)建設事業について、市民の意見をモニタリング調査に反映し、河口干潟の
保全に有効に活用することを目的とする住民参加型のモニタリング委員会を設置してください。
委員会には河口干潟の保全活動を実践してきた人々やNGOを委員として加えてください。
先日徳島県の担当者に3.において言及する環境アドバイザー会議の専門家に対して「直接市
民としての意見を伝えたい」という申し入れを行ったところ、担当者から「そういったことは
謹んでほしい」という回答を得ました。したがって、現在は、河口干潟の状況について豊富な
地域知を有すると思われる市民の意見が干潟の保全に生かされる道は全く閉ざされているのが
現状です。このような長年の継続的な観察により個人の中に蓄積された地域知を干潟の保全に
十全に活用するためにも住民参加型のモニタリング委員会の設置が必要なのです。
3.9月1日に開催予定の東環状大橋(仮称)環境アドバイザー会議について私どもは次のような
疑問を持っています。この五項目の疑問について具体的なご回答をお願いします。
@東環状大橋(仮称)環境アドバイザー会議(以下アドバイザー会議)設置の経緯(任意のも
のなのか、何らかの条例あるいは法律に基づくものなのかということを含めて)
Aアドバイザー会議の設置及び召集者
Bアドバイザー会議が有する権限
Cアドバイザー会議での議論がどのような形で東環状大橋(仮称)架橋工事に反映されていく
ものなのか。
Dアドバイザー会議は今後いつごろまで設置される予定なのか。
4.東環状大橋(仮称)事業に係るモニタリングも含めた様々な状況について、専門家、河川管理
者である国交省を交えて、県主催の報告会および説明会を定期的に開催してください。
8月26日に国土交通省徳島河川国道事務所に河口環境の保全についての要望をお持ちした席
で、東環状大橋(仮称)南岸の橋台にともなう堤防工事についてのお話がでました。防災上の
必要性は当然理解していますが、工事場所は河口干潟のなかでも健全な泥干潟が維持されてい
るところであり、水際の工事は、生物の生息環境のみならず、広い意味で生態系への影響が懸
念されます。以前には、工事予定場所に隣接する場所の護岸工事が施工されましたが、その時
には環境配慮の検討や説明が全くされなかったので、いまだに影響について言われています。
県は、こういった大橋建設に付随する事業の概要や実施内容を一切公開せずにいますが、この
ようなことについても幅広い市民の意見が反映されるような場づくりにもっと積極的に取り組
まれるよう期待します。
併せて、私どもは再三再四お願いしてきましたが、専門家の参加のもと市民向けに環境モニタ
リング調査結果の報告会を早急に開いてください。
5.私どもは、東環状大橋(仮称)建設は、環境か人かという短絡的なお話ではなく、市民意識の
高揚も含めた「町づくり」の一環としてこの建設工事について幅広く考え、また議論を進めて
いくことが必要だと考えます。市民が思い描く子どもたちや高齢者や歩行者,自転車などいわ
ゆる交通弱者と呼ばれている人たちにとっても安全で快適な町をめざすためには、公共交通機
関の利便性を高めることも重要な課題であることは皆さまご承知の通りです。様々な人たちが
「住みやすい町づくり」について交通施策に関する資料や情報を公開していただき、また懇談
会などを定期的に開くようお願いします。
6.後述する反論において、私どもが求めている疑問等に関して、具体的な資料や情報をお示しい
ただき、ご回答いただくようお願い致します。
上記要望事項に関する私どもの見解および徳島県からの回答に対する反論及び再要望
T 徳島東環状線(以下東環状線)の必要性について
東環状線の必要性については、徳島県は従来から「国道11号、55号、192号が市内中心部
でT字型に交差するため都市内交通や通過交通が交差点周辺に集中」するために発生する交通渋滞
を緩和することを大きな理由としてあげています。しかし、この見解に関して私どもは次のような
疑念を抱かざるを得ないのです。
「平成22年徳島県交通量推計」によりますと、国道11号吉野川大橋の交通量は51869台/日となっ
ており、東環状線完成後の国道11号の予想交通量64000台よりも約1万2000台/日と約20%低い推計
値が出ています。またこの交通量を東環状線の交通量の推計値24893台/日とあわせても、76762台/
日となり、この値を東環状大橋が建設されなかった場合の吉野川大橋の平成22年における予想交通
量とすれば、国道11号吉野川大橋の交通量は平成22年には約7500台/日減少することとなります。
このように徳島県においても交通量の減少を予想しています。現に徳島市に流入する主要7路線
の交通量は平成11年をピークとして減少する傾向を示し、平成15年には平成6年の水準まで低
下しています(平成15年交通統計 徳島県警察本部交通部による)。
私どもは次のような点から、今後10年以内にはこの減少傾向が加速され、徳島県が予想している
以上に交通量が減少するのではないかと考えています。なぜなら、最近の社会状況の動向を見ます
と、車利用を促進するよりはむしろ抑制すると思われる要因が数多く見受けられるからです。
1.2010年を待たずして、原油生産はピークを迎え、その結果原油価格が高騰することが予測され
ています。さらに、主な原油生産地である中東地域の政情不安により価格の高騰に拍車がかかり、
その結果ガソリンの価格が値上がりすることが十分予想されます。
2.慢性的な少子高齢化及び人口減少により車利用人口の減少が見込まれると同時に利便性の高い
公共交通機関の整備が望まれることとなること。
3.車からの排気ガス、とくに地球温暖化の原因の一つとされている二酸化炭素の排出抑制策が今
後強化されること。
すでに低排出ガス車に対する税の減免措置がとられていることはご存知の通りです。また国際的
な規約に基づいて我が国は二酸化炭素排出抑制策を講じなければならないことから今後炭素税が
導入されることなども考えられます。
なお、回答書においては「交通渋滞の緩和は自動車排気ガスの減少にも効果があり」としていま
すが、どのような渋滞の場合と比較して、どのように渋滞が緩和された場合、どのような種類の
排気ガスが、どの程度減少するのでしょうか。定量的なデータをお示しください。
4.二酸化炭素排出抑制策の一環として車利用を抑制するため、パーク・アンド・ライド方式や運
転者以外に同乗者のいる車への優先通行、公共交通機関の利用促進、時差出勤の導入などを採用
することが今後推進されるようになること。
徳島県は平成14年6月25日付けの回答書(都計237号)において、この点に触れていま
すが、その「効果は限定的なものにとどまっている」としています。では、現在どのようなこの
種の施策が講じられており、どのような具体的なデータに基づいて「効果が限定的」と判断され
たのでしょうか。その根拠をお示しください。
回答書において、平成12年実施のパーソンとリップ調査の結果を引用し、「渋滞緩和の方法
として道路整備を支持する回答者が85%を越えること」が東環状線建設の大きな根拠とされて
います。しかし、同時にこの調査に対する回答の中で、公共交通機関の利用促進や時差出勤の導
入により交通量を減少させるべきだと回答した人々が、それぞれ70%以上を占めています。こ
のような回答者の思いに答える施策は、徳島県によってどのように展開されているのでしょうか。
徳島市内においても国土交通省がパーク・アンド・ライド方式を導入し、国道11号には朝夕の
ラッシュ時の「バス・タクシー優先レーン」が設定されている区間があります。しかし、優先レ
ーンは全く確保されていないというか無視されているのが現状です。このようなことについて徳
島県は国土交通省に対し要望等を出されたのでしょうか。
さらに、回答書において徳島県は「東環状線が地震等災害時の避難道路となることや救急医療
時の搬送経路としても有効に機能することが期待できる」としています。この点について私ども
は頭から否定するつもりはありません。しかし、地震等災害時には災害救難のための緊急自動車
の通行を疎外することから一般市民の車による避難は必ずしも推奨されていないことはご存知の
通りです。また、救急車等の走行についても、その走行を疎外しないことの多くは運転者のマナ
ーに帰すべき問題であり、たとえ交通が渋滞していなくても、運転者の意識やマナーが低ければ、
救急車などの走行に大きな障害となっていることは、しばしば目にするところです。
以上述べてきたようなことから、東環状線の建設が「環境首都とくしま憲章」の精神に沿うも
のであるとの回答には納得できません。
U 吉野川河口環境への配慮について
回答書において徳島県は東環状大橋の設計・施行において「吉野川河口環境の貴重性・重要性を
十分認識している」と述べています。また、これに関連する平成14年6月25日付の回答書では、
「平成6年12月の第72回徳島県都市計画審議会において周辺環境への影響についても審議し、
さらに設計検討委員会を設け公開の場で意見聴取等慎重に検討を行った」と述べています。
しかし、これらの審議の進め方については、私どもは不信感を募らせざるを得ません。私どもは、
平成6年12月に開催された徳島県都市計画審議会の議事録の公開を長年にわたりお願いしてきま
した。その後やっと公開されたのは、平成15年3月中旬で1月29日に東環状大橋(仮称)建設
について、吉野川の河川管理者である国土交通省の河川法に基づいて許可され、着工に向けて事実
上最終ゴーサインが出た直後でした。
東環状大橋建設および東環状線について審議したのは、平成6年12月27日という年の瀬も押
し詰まった御用納めの前日でした。その日の午後、それもたった1回の審議で莫大な税金を投じる
事業の建設が決定されたのも驚くべきことです。
さて、議事録によると、審議会では代替案検討及び環境影響評価、四国横断自動車道・マリンピ
ア沖洲河口域において計画されている複数の事業の複合的な影響を評価することの必要性などが指
摘されているにもかかわらず、少なくとも当該都市計画審議会の議事録を見る限り、河口干潟環境
の保全について言及された形跡は認められません。
また、設計検討委員会において、どのような議論がなされ、聴取された意見が具体的にどのよう
な形で設計に反映されたのか全く不明です。検討委員会の議事録及び検討委員会の議論と設計との
具体的な関連性、環境配慮型だと結論に至った具体的なデータを示す資料をお示し下さい。
ところで、検討委員会では、自然保護団体の代表がオブザーバーとして急遽召集されましたが、
このオブザーバー参加をもって、自然保護団体からは東環状大橋(仮称)建設についての理解や合
意を得た証左として様々な場面で提示されてきました。この機会に、この点を明確に指摘するとと
もに、このようなお互いの信頼を裏切るような徳島県の行為について抗議したいと思います。今後
は市民と信頼関係が築けるようなシステムづくりに努力していただきたいと存じます。
さらに、私どもは先に提出した要望書の第2項(吉野川河口域の価値に関する認識について)に
おいて、特に吉野川河口域の景観に関する徳島県の価値認識が不十分であることを指摘しました。
この件に対する徳島県の回答は、一方的に東環状線の必要性を主張するのみであり、私どもの要望
に沿うものではありません。したがって、景観の価値を徳島県は、どの程度認識しているのか、ま
た、その価値認識の根拠及び東環状大橋の有する価値との具体的な比較等に関して再度回答をお願
い致します。
V 要望書第3項「説明会の開催について」及び4項「環境モニタリング調査結果の公表及
び報告会の開催時期について」に対する回答について
第3項に関して、説明会を開催する予定をしていない具体的な理由を明確に示していただくよう
お願い致します。
第4項に対する回答において、徳島県は「8月には環境アドバイザー会議を開催したいと考えて
います」と述べています。また、この環境アドバイザー会議は、徳島県が吉野川河口環境の保全に
十分に配慮していることの大きな根拠としているものです。しかし、吉野川河口干潟に対する東環
状大橋(仮称)建設工事の影響を評価する上で、最も重要な指標の一つである渡り鳥の専門家が突
如お辞めになるなど、モニタリング体制に不備が認められます。この環境アドバイザー会議とは、
どのような経緯により誰が設立・召集し、どのような権限を有するものなのか、アドバイザー会議
での議論がどのような形で東環状大橋架橋工事に反映されていくのかなど、その実態は全くといっ
ていいほど明らかにはされておりません。
これらの点について、具体的にお示しください。
以上
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